魔人のあけおめ駄文?
村壬生。
ありがちネタな気もしますが、浮かんだので…。
「あけまして、おめでとうございます。村雨さん」
大晦日の、かなり早い時間から年をまたいでの秘めはじめに付き合わされた壬生が起き出したのは元旦の昼も過ぎ、かなり遅い時間だった。
「ああ、おめでとさん」
手酌で御屠蘇代わりらしい日本酒を飲んでいた村雨にお猪口を渡され少しだけ口を付ける。
空きっ腹に日本酒はキツいので、ほんの少しだけだ。
「何か食べますか?お雑煮とか?」
キッチンへと向かいながらの問いかけに「俺がやる」と、壬生をそれまで自分が座っていたソファに座らせ、代わりに立ち上がった村雨のさり気ない気遣いに、ふわりと微笑い壬生は礼を言った。
「そういえば……」
二人で雑煮も食べ、何となくテレビをつけ、どこも変わりばえのしない正月番組にチャンネルをリモコンで次々と変えている村雨に壬生は思い出したように席を立ち、直に大きな紙袋を持って戻ってきた。
「龍麻から、お年玉だそうですよ」
中から取り出した包みを村雨に渡しながら告げる。
袋状の上部をリボンで可愛くラッピングされたそれを解きながら、一瞬いやな予感に村雨の手が止まった。
「……中身知ってるか?」
恐る恐るの問いかけに壬生が笑う。
「いいえ、知りません。でも、龍麻と裏蜜さんの合作だそうですよ?後、伝言で『写メ撮って送ってくれ』だそうです」
その言葉に、村雨はため息を付いた。
これで、開けないわけにはいかなくなった。
「何故か、僕にもあるんですよ…」
その言葉に、村雨は内心ホッとする。
壬生を大切にしているあの二人からだ。
壬生の分もあるってコトは、そう酷くは無いだろう。
そんな心の声をよそに現れたのは……。
「……うさ耳?」
壬生の呆然とした声が聞こえ、見ると真っ黒なウサギの耳。
慌てて、包みを開けるとこっちには…真っ白で長い……。
いや、逃避しても仕様がない。
真っ白なウサ耳が、入っていた。
……。
………。
あの二人は、完璧に遊んでいる。
これを、付けろと?
壬生なら似合うだろうが、この俺にも?
しかも、さっき『写メしろ』ってなかったか?
仕方ねェ。
村雨は、おもむろに立ち上がるとデジカメをセットし、固まったままの壬生の頭にソレを装着した。
タイミングを計り、自分も付けると深く口付ける。
『カシャッ』
小さな音と共に焚かれるフラッシュ。
そのまま無視して咥内を貪りながら頭からソレを外した。
立ち上がり、映像を確認して保存すると、テーブルの上に置きっ放しになっていたノートパソコンを起動した。
ボーっと見ている壬生の、まだ着けたままのその耳に指を這わせ手触りを楽しみながら画像を取り込み加工する。
その後のお楽しみは、二人だけの秘め事だった。
後日談。
「裏蜜!!見てくれ」
ミサが携帯の通話ボタンを押すと同時ぐらいに龍麻の大音量の声が響いた。
「ひ~ちゃん?」
「今、PCにメールした」
その言葉に、パソコンをたちあげる。
メールソフトでメールを受信し、添付のファイルを開くと……。
村雨(白いウサ耳付き)と、角度的に見てキスをされているらしい壬生(黒いウサ耳付き)。
ただし、村雨は後姿。
壬生に至ってはほんの少し黒い耳が見えるダケという写真。
しかも、二人の上にデカデカと『あけましておめでとう。今年も宜しく』の文字。
「来年、リベンジするぞ!!」
何やら喚いている龍麻をよそに、来年って…辰年よね?
耳……ツノかしら?
などと、考えている裏蜜だった。
つい、出来心で…。
や、ウサギって性欲強いんだっけか?
とか、考えてたら…。
遅くなりましたが。
新年明けましておめでとうございます
今年も宜しくお願いします
と、いうことで…。