今回は神田独白(?)編。
限りなくニセモノチックに。。
それでも、読むという方は続きをどうぞ。
明るい赤が窓の外を見ている。
今の時間、体育は一年か・・・。
窓の外、光を受けて輝く白を見つけて思う。
バカ兎。
舌打ちしそうになったのを、授業中という事を思い出して何とか堪える。
さっさとくっ付けば良いのに。
モヤシが誰を見ているかなんて一目瞭然なのに、このバカ兎は気付かない。
あれは・・・。
「凄く可愛いんさ~~。今度、会わしちゃる!!ぜーーったいユウも天使だって思うさ~~」
二年間、同じクラスの腐れ縁になりつつあるヤツの言い分は、もう聞き飽きた。
ずっとこれを聞かされるのかと、苛立ちまぎれに愛刀に手を伸ばそうとして、ヤツの視線が一点を見ているのに気付いた。
そこに居たのは、真っ白な髪をした・・・天使?のような・・・。
「・・・アレン?」
ラビが呆然と目を見開いて呟く。
アレン・・・確か、コイツの弟の名前。
そういえば、今日は学校見学だったか?。
じゃあ、やっぱりあの白いのはコイツの弟か・・・。
「アレーーン!!」
隣でラビが大声を上げ、俺は耳を押さえた。
・・・んのバカ!!
一発殴ろうと手を上げかけて、嬉しそうに走り寄る白に気付く。
「ラビ!!」
その満面の笑顔に息をのんだ。
そして、俺はラビの言っていた事が誇張でも何でもないと知ったのだった。
あれから、ずっと見ていた。
三年と少し。決して短くはない年月。
その間にモヤシはどんどん綺麗になった。
男に対する言葉では無いが、本当に綺麗になった。
何時しか三人で居るのが当然のようになって、俺は気付いた。
こういった事に疎い俺でも気付いた。
なのに、何で気付かない?
俺は限界だった。
モヤシの哀しい顔も、親友(口に出しては認めないが)の沈んだ顔も見たくは無かった。
だから・・・。
本当に、俺は馬鹿だと思う。
自らの死刑宣告に署名する・・・大馬鹿だ。
だが、これで良い。
皆が俺を怖がって近寄らない中、アイツらはウザい位に傍に居てくれた。
何時でも、真っ直ぐに俺を見て・・・俺はアイツらに救われていた。
だから、俺はモヤシに声を掛けた。
こ、こんなカンジ?
神田は優しいと思う。
でも、口の悪さが災いして・・・。
あぁ、でも、口が悪くない神田なんて神田じゃないか・・・・。